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ちょうど魔物の落とした金貨を拾い終わったらしいアルンがニコニコとそれを差し出してきた。
「馬鹿者! 金貨を飯に変えてどうするんだ。これで兵士や大工を雇い、城の守りを固めろ。赤い夜はそう遠くない」
赤い夜。
それは月が赤く染まり、魔物が大量発生する日のことだ。
前回の赤い夜に、僕の両親は魔物に殺され、城はボロボロ、兵士はこの馬鹿な竜騎士しか生き残らなかった。
しかしこの馬鹿な竜騎士は両親に託された純金の王冠を守りきり、僕に王位を継承させたのだ。
「さすが陛下! なんて賢いんだ!」
感動に目をうるませるアルンに思わずため息が出た。
「そんなところでいつまでも立っているな。寝室にいくぞ」
「はい!」
魔物の襲撃を受けてボロボロになった城内を二人で進み、最奥にある寝室へやってきた。
アルンは僕の上着を脱がせてクローゼットにしまうと、自分の上着も脱いで隣にしまった。
僕はベッドに座って彼を待った。
すぐにアルンは僕の足元に戻ってきて靴を脱がせ始める。
使い勝手ばかりを優先させた無骨なブーツを脱がせ、僕の足の甲にキスをした。
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