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小さな国の小さな村から子供の足で1時間ほど山奥へ入ったところにある小さな家に、ポルという小さな男の子が住んでいました。
ポルは、おばあちゃんと二人暮らしで、毎日とても幸せに暮らしていました。
ポルは、おばあちゃんが大好きです。
毎日、ポルの大好きなお芋のご飯を作ってくれるし、楽しい歌を教えてくれるし、お山のお散歩をしてくれます。
おばあちゃんはとても優しくて、どんなときもにっこりしているのです。
だから自然と、ポルもにっこりなお顔になります。
けれど、その日は突然やってきました。今までおばあちゃんから離れたことがなかったポルだけれど、そうもいかなくなってしまったのです。
なぜなら、おばあちゃんの体の具合が悪くなり寝込んでしまったから。こんなことは初めてで、ポルは心配でたまりません。
「おばあちゃん、ゆっくり休んで、早く元気になってね」
「ポル、私なら大丈夫よ。それよりも、おばあちゃんとの約束は忘れていないわね?」
おばあちゃんは時々苦しそうになりながらゆっくりと言ったのでした。
1番大変なのはおばあちゃんなのに、ポルのことを1番に心配してくれるなんて、やっぱりおばあちゃんは世界で1番優しくて、ポルは嬉しくなります。
「もちろんだよ! お山は下りないし、怖い人がいるところには絶対にいかないよ!」
ポルが言うと、おばあちゃんは安心したように眠りにつきました。
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