7、捨てられた思い

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「莉子は、大丈夫だったの?」 梨乃が口に定食の白米を口に入れ、それを飲み込むと、紗英に問う。 「うん。とりあえず、命に別状はないよ。でも学校には行ってない。太ももを宏輝に刺されて、それで来れないんじゃないかな?」 「そうなんだ…莉子は明日学校行けるかな?」 「わかんないけど、多分無理だと思う。気持ち的にもまだ外を歩けるようには思えないかな」 「悠人くんは?学校行ってるの?」 悠人と莉子が心配なのか、梨乃は立て続けに紗英に問う。 「悠人はいつも通り学校に行ってるよ。あの計画でほとんど怪我はしてない」 「そっか…」 梨乃は紗英が質問に答えると、何かを考えるように口元に手を当てた。 「梨乃…もしやりたいことが決まったら、私も力になるから。できることがあったら、なんでもいってね」 机に前のめりになって梨乃に優しく声をかけた。その言葉を聞いて梨乃が安心したように頬が緩んだ。 「ありがとう。紗英ちゃん、私なんかのために、いままで寄り添ってくれて。私、紗英ちゃんがいたからここまで生きてこれたんだよ。私は紗英ちゃんに救われたの」 紗英は急に真剣に話し出す梨乃に少し気恥ずかしさを感じて、思わず視線を逸らした。 「そんなことないよ。だなんて言わないでよ。同じ捨て子なんだから、支え合って当然だよ。だから、梨乃のやりたいこと、私にも手伝わせて」 紗英の言葉に梨乃はふっと息を漏らした。 「じゃあ、ひとつお願い」 梨乃は満面の笑顔を浮かべて紗英に微笑んだ。 「私の…莉子のことを、お願い」 紗英は梨乃のその言葉の意味が分からず首を傾げたが、梨乃はそれ以上説明を加えようとしなかった。
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