RETRY! ―リトライ!―

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『ちょっと待って下さいね』  声が遠のいて、他のふたりと相談している様子が伺える。  そりゃ一存じゃ決められないよね、移動が絡んでくるんだし。 『他のふたりもいいって言ってるんで、お邪魔していいですか?』 「わかったー! じゃあ待ってるね! あとで姫乃井にお店の地図送ってもらうから」 『お願いしまーす』  約束をとりつけ、そのまま通話が終了する。  姫の顔を見ると「これでよかったのか……?」みたいな顔をしてる。  そりゃそうなるよね、勢いよすぎだって。 「龍之介さん、勝手に人呼んで大丈夫ですか?」  姫がちょっと心配そうに龍先輩に尋ねる。 「営業中ならちょっと困るかもしれないけど、今日定休日だしね。そろそろ帰ってくるから事情を話せば大丈夫だよ」  キメキメなウインクを飛ばしてくる龍先輩の顔を、すんごく怪訝そうな顔して見つめる姫の眉間にシワが寄ってる。 「委員長も……」 「僕は構わないけど、秋月先輩はお時間大丈夫ですか?」 「……しかたねぇだろ、コイツら言い出したら聞かねぇから」  襟足を掻きながら溜息をつく朔夜先輩の横から、 「さすがやーさん諦め早いっ☆」  太鳳先輩が勢いよく脇腹を肘でつついた。ギロッと朔夜先輩が太鳳先輩を睨みけて、 「……誰のせいだと思ってんだコラ」  そう不満げに吐き出した。
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