6人が本棚に入れています
本棚に追加
『ちょっと待って下さいね』
声が遠のいて、他のふたりと相談している様子が伺える。
そりゃ一存じゃ決められないよね、移動が絡んでくるんだし。
『他のふたりもいいって言ってるんで、お邪魔していいですか?』
「わかったー! じゃあ待ってるね! あとで姫乃井にお店の地図送ってもらうから」
『お願いしまーす』
約束をとりつけ、そのまま通話が終了する。
姫の顔を見ると「これでよかったのか……?」みたいな顔をしてる。
そりゃそうなるよね、勢いよすぎだって。
「龍之介さん、勝手に人呼んで大丈夫ですか?」
姫がちょっと心配そうに龍先輩に尋ねる。
「営業中ならちょっと困るかもしれないけど、今日定休日だしね。そろそろ帰ってくるから事情を話せば大丈夫だよ」
キメキメなウインクを飛ばしてくる龍先輩の顔を、すんごく怪訝そうな顔して見つめる姫の眉間にシワが寄ってる。
「委員長も……」
「僕は構わないけど、秋月先輩はお時間大丈夫ですか?」
「……しかたねぇだろ、コイツら言い出したら聞かねぇから」
襟足を掻きながら溜息をつく朔夜先輩の横から、
「さすがやーさん諦め早いっ☆」
太鳳先輩が勢いよく脇腹を肘でつついた。ギロッと朔夜先輩が太鳳先輩を睨みけて、
「……誰のせいだと思ってんだコラ」
そう不満げに吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!