はじめの一歩♪明日に一歩♪

6/11
前へ
/91ページ
次へ
 正解は転校生か…あ〜王道かなぁ…アンチはやだなぁ まぁまだ王道とも決まってないけど…  でも、副会長が迎えに行くのは王道なのね、はいはいわかりましたよ、行ってやりますよ〜っと。えっと〜、明日の朝8時30分だったかな…  あ〜も〜!!あのホストがここのOBで元会計だったって言葉が頭から離れねぇんだが!!まじで、最後に爆弾落としやがったな、あんのニコニコめ〜!  なんてゴチャゴチャ考えていたら、目の前には教室のドア。自習なので他のクラスよりも話し声が聞こえてくる。  ドアを開け、自分の席に向かう。俺の席は窓際の一番後ろ。教室を見渡す事ができる。前の席の奴はサボり魔なので、今はまだ空席。ま、午後には来るだろ。  と、自分の席に座ると、真っ先にとんでくる奴が1人。 「シオン〜!どうだった?やっぱり転校生!?この時期に呼び出しなら転校生でしょ!?」  そう、コイツこそが隠す気もなさげに禁断の恋をと叫び、俺が理事長室に行く前に視界の隅に入ってきた腐の民だ。あ、俺に演技させてるのも、コイツな。  俺がたまたまコイツの本性を知ってしまったがゆえに、懐かれ、話しかけられる。 「ちょっと!この可愛いミツキくんの話を聞いてるの!?ねぇ!!」 「へーへー、自分で可愛いとか言いやがって」  自称可愛いコイツは浦野(うらの) 光希(みつき)で、見た目は髪がクリーム色で少し天パ気味の、目は黒。猫をかぶっている時の愛嬌は良いため、ネコランクの上位者だ。  まぁ、低い身長も相まってだろうg… 「違うよシオン!クリーム色じゃなくて、くりぃむ色!!間違えないでくれる!?」 「いや、こまけぇよ。てかお前まで思考に突っ込んで来んなよ…」  多少、いやだいぶめんどくせぇ。ずっと言ってるが腐男子だ。このテンションで語ってきやがる。  俺を王道らしい敬語腹黒副会長に仕立てようとしてきたときも、めんどくさかった。まぁ、結局腹黒にはなれてないと思うが。 「で!シオン!転校生は!?」 「あぁ、来るってよ。ただ、理事長の甥っ子ではないらしいぞ」 「え、そうなの?僕、理事長の溺愛見たかったのになぁ…残念。  まぁいいや!いつ来るの!その転校生くん!!」 「明後日らしい」 「おっけぃ!わかった!ありがとうシオン!」  ウッソで〜す。明日で〜す。本当のことを言うわけないだろ。アイツのことだ、言ったら絶対見に来る。…いや、子供かよ俺は。  嘘とも知らず目の前の腐男子は、ワクワクしながら明後日何時に起きるかを計画している。その姿はさながら遠足前の子供のようだ。  無駄な事だけど。 ーーーーーーー 教室の様子 「うわっ!ネコランク上位者が並んでやがる!!」 「あそこはもう聖域だ!迂闊に近づけねぇよ!下手したら死ぬぞ!!」 「ハァハァ、何を話しているんだろう。あ、ミツキ様がキラキラしてらっしゃる!天使!?」 「あぁ!あの天使とお話しされているのは、もしや女神!?」 「ぐふぅっ!!」 「おい!大丈夫か!?お前、鼻血が!!」 「俺の分まで、聖域をしっかり拝んでくれ!」 「お、おい!ここで尽きるなよ!テル!お前、ここで死んだら絶対地縛霊になるぞ!!」 「そ、れなら、ほん、望、だ…」 「テルーーー!!!」  彼は彼で小話をやってたんですが、今は非公開にしています。一通り落ち着いたらまた公開しようかなとは思っています。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

211人が本棚に入れています
本棚に追加