212人が本棚に入れています
本棚に追加
??? side.
… 夜。
いつも通り夜ご飯も食べ終え、風呂にも入り、自分の時間に没頭していると携帯が鳴る。仕事用の携帯だ。
「もっしも〜し、御用でございましょーか?」
『あぁ、俺だ。少し調べてほシいことがあるんだけど』
「ん!珍しいね〜!了解了解!何を調べればいい?」
察しているだろうけど、俺は情報屋として動いている。これでもここら辺じゃ名の知れてる情報屋なんでね〜!
『明日来る転校生につイて調べろ』
「おっけ〜、転校生についてだけでいいの?」
『あぁ、問題ない。頼んダ』
あ、用終わったっぽい。やべ、電話切りそう!
「あ〜ちょっとストップ!」
まだ話してたい!よ、よし、一かバチか!
『何?こッちからの用はもう伝エ終わったんだけど』
「えっとね〜今回の利用については、対価を求めたいんだけど!いいかな?」
いつもは無償で何でも提供するけど、ちょっと今回は協力してくれたら助かる依頼が…あと、俺の趣味…( ̄∇ ̄*)ゞ
『イいよ、俺ができるものだったら特別にしてやるよ』
「そこをなんとか…、ってえ!?いいの!?」
『今回ぐらいハ』
「よっしゃあ!じゃあ、お願い!王道を見せて!!」
え、え、待って、対価してくれるって!!頼む!俺今、手のひらあわせて携帯に向かって頭下げてます!この願い、届け!!
『わカった。その代わり、転校生のことしっかリ調べとけよ』
王道、勝ち取ったりー!!依頼者の皆さん!俺は頑張ったよ!君たちに王道を届けることが出来そうだ!!
なんて、盛り上がっている間に電話は切られていた。もう少し話したかったが、今は王道が見られることへの喜びでいっぱいだった。
「あ〜まじ太っ腹です。あざます、しっかり調べさせていただきます。なむなむ…」
いくつかある仕事用の携帯を持ち、自室へと戻る。自室には、パソコンが大量に置かれ、その内のいくつかはどこかをずっと映している。
その内の1つの前に座り、何か作業を始める。
「ふむふむ…な、る、ほ、どぉ……、ほほぅ、、おや?、これはぁ……いやぁ、、なかなか…」
あ、俺ってさ、何かに集中しちゃうとつい独り言言っちゃうタイプだからさ!なかなかに興味深い話が多くて、つい!
「とりあえず、一旦まとめてっと…」
ひとまず情報で埋めつくされて散らかる前に、とまとめ始める。カタカタとキーボードの音だけが鳴る部屋の中で、先程とはまた別の携帯が鳴る。
「ん〜?なぁに〜??」
携帯を見ると、【先日現れたらしいサーカスが今どこにいるか教えてくれ】というメッセージが届いていた。依頼主はどっかの総長らしい。基本、依頼主には興味は無いが、こーゆー依頼は決まった奴らしかしてこないため、心当たりはある。
「先日って言うとアレか、下っ端チームを壊滅させたヤツ。珍しく団長が出てきたとかで、皆が血眼になって探してるんだよな〜…」
ブツブツと言いながらパソコンに向かって項垂れていく。と思えばガバッと顔を上げ、
「あ〜!どうして俺は呼んでくれなかったのさ〜!!いくら最近入ったばっかの新人でも、呼ぶくらいはしてくれてもいいだろ〜!!」
馬鹿野郎〜!!と叫び出す。アホ、このやろ、などと一通り叫び、やっと落ち着いたかと思えばまた項垂れる。
そして、1つのパソコンへと目を移す。
「今日も、眠れてない、みたいだね…」
と独り言をこぼしながら。
ーーーーーーー
前のアカウントの方と視点が違いますが、前のやつの電話相手の方の視点です。
今回が初見で、このままこの電話相手が誰なのかなって思いながら読むのもアリですし、前のアカウントの方も読んでみて、いろいろ知った上でこの先読んで行くのもアリかもです。
前のアカウントから読んでくれている方は、あの時電話相手はこんなことを考えていたのか、って思ってくれると嬉しいです。
最初のコメントを投稿しよう!