翌日。

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~  新しく転入する学校にワクワクした様子で車に揺られる少年。前の学校で問題を起こし、転校することとなった。  車が止まり降りれば、目の前にはデカい門。自分の身長を簡単に超えるそれは、閉まっており、開く様子もない。  少年は呆然としている。予想以上の門に驚いたのか、開く様子のない門に困っているのか…  少しの間思案していたかと思えば、何を思ったのか少年は門を登り始めた。  登り終わると少年の姿は門の奥へと消える。と同時に響き渡る声。 「あ、やべ!おい!そこのお前どけ!」  ドシンと響く音に少年が門から落ちたことがわかる。 「大きな音がしましたが、大丈夫ですか?」  少年が声のする方に顔を向ければ、そこには、目元にかかる程に長い前髪だが手触りの良さそうなサラサラとした黒髪に、それに反する白い肌。その白い肌が余計に黒い髪を際立たせている。  小さな顔に大きな黒い目、赤すぎず薄すぎない唇。全てが整っており、真っ先に思う感想は、綺麗。  少年はその声の主に目が奪われる。ただ、その綺麗な顔に張り付く胡散臭い笑みだけが気に食わない。 「お前!胡散臭い笑顔笑顔してんなよ!せっかくいい顔してんだからな!!俺には隠さなくていいぜ!」 ~  どけ!という言葉と共に、何故か黒いモジャモジャした髪で瓶底メガネをかけた男が門の上から降ってきた。俺がとっさに避けたため、上手く着地できず尻をぶつけたらしいソイツはかなり痛そうにしている。  大丈夫かと心配して、王道通りの胡散臭い笑みを貼り付けて話しかければ、 「お前!胡散臭い笑顔してんなよ!せっかくいい顔していんだからな!!俺には隠さなくていいぜ!」  と言われる。  なんだ、なんなんだコイツは。アンチ王道そのまますぎて逆に怖ぇ。てか、初対面の相手に胡散臭いとかお前とかタメ語とか上から目線とか、まっっっじきもい。いや、寒気がする。仲良くなりたくない。 「私は坂本 紫苑と申します。アナタの名前を伺ってよろしいですか?」 「おう!いいぜ!!俺は梓馬(あずま) 千景(ちかげ)!チカゲって呼べよな!」  そう言って、梓馬は二パッと笑う。まぁ口元しか見えないが、 「よろしくお願いします梓馬」ニコッ 「だーかーら!その胡散臭い笑顔をやめろって!あと、チカゲ!チカゲって呼べよ!俺ら友達だろ!?」  わぁお、アンチの代名詞:俺ら友達宣言:。やべぇなコイツ。 「胡散臭いなんて、初めて言われました。気に入りましたよチカゲ。…」 「ん?どうした?シオン?」  俺は梓馬に近づき、耳元に顔を寄せる。 「____」 「!!!」  明らかに同様し、警戒してくる梓馬。 「そんなに警戒しないでくださいよチカゲ。別にアナタをどうこうしようとするつもりはありません」  梓馬から離れる。離れる際にフッと息を吹きかければ、梓馬はとっさに耳を押さえる。心なしか少し耳が赤い。  よし、これでアイツも満足だろう。 「では行きましょうかチカゲ」 「…そうだな!よろしくなシオン!」  最後に草むらを少し見て梓馬と共に歩き出す。向かうは理事長だ。 〜〜〜  作者、うとうとしながら文を打ったのでおかしいとこがあると思います。遠慮なくご報告お願いします。(o_ _)o
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