翌日。

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 シオンが梓馬と共に理事長室へ向かったあとの門。  の、脇にある草むらの中。カメラをしまう少年が1人。 「や〜っと王道が始まったか〜♪副会長イベントも撮れたし!」  でもあの距離気づかれるとは… なんて呟きながら少年は歩き出す。 「ま、これで依頼者も満足するだろ〜」  少年は携帯を取り出すと、 電話をかける。 「もっしも〜し、依頼された"副会長イベント"の映像、入手できそうなんで〜!お金に関してはまた後で連絡させてもらいまーす!」  電話の向こうからは嬉しそうな声がする。「いつもご利用ありがとうございます〜!」と言い、少年は電話を切る。 「へっへ〜儲けた儲けた〜」  るんたった〜と歩いていると、先程とは別の携帯が鳴る。 「もっしも〜し、御用でございましょーか?」 『俺だよシュウ。ちょっといい?』 「あれ、テキさんじゃないっすか!どうされたんで?」 『今周りに人はいないかな?』 「うん〜じゃあちょっと移動させて!少しだけ待ってくだせぇ!」  辺りをキョロキョロと見回す。授業が始まっているとはいえ、風紀や素行の悪い生徒などと遭遇する可能性がある。  ここら辺じゃだめか、と思い少年は寮へと向かう。  寮に着くと自分の部屋へ急ぎ足で入る。少年の部屋は寮では珍しい一人部屋なため、同室者などに聞かれる心配はない。 「おっけーです、テキさん!で、周りに万が一にも聞かれたくない話とは…?」 『この前、団長直々にチームを壊滅させたからさ、団長が姿を現したことが広まってあることは情報屋であるシュウは知ってるでしょう?』  それですよ、それ!俺も呼んでくださいよ〜!と言いたいところだけど、どうもそんな空気じゃないから心の中で精一杯叫ぶだけにする。 「はーい知ってますよ〜!それによって、みーんなが我らが団長を探し始めてますね!」 『う〜ん、やっぱりか…いくら強い団長でも心配でさ、、』  いや、あの団長なら大丈夫ですよ、という言葉を飲み込む。今の彼には心配してくれる仲間がいることを知った方がいい。 『やっぱり、シュウでも昼の団長の居場所はわからないんだよね?』 「…前々から言ってますけど、わからないですね〜残念ながら」 『そっか、、ありがとうシュウ。あと、団長だけが狙われるワケじゃないから、僕らもサーカスの1人だから敵が多い。シュウはあまり表に出てないけど気をつけるんだよ』 「はい、了解す!肝に命じときやす!」  じゃあね、とテキという少年は電話を切る。 「ごめんね。団長からの許可が出ない限り、居場所‪を教えるワケにはいかないんだ〜…」  少年の独り言は静かに消えていく。
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