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寝てしまったマサを横目にミツキと駄弁っていると、自習宣言したハズの担任が教室に駆け込んでくる。かなり息切れしているので、全速力で走ってきたのだろう。
「せ、先生?どうしたんですか?」
「そうだよなぁ、そうだよなぁ……ゼェ、いくら俺が、舐められてるからといって、お前らも、ハァ、俺には敬語を、使ってくれる…使うのが普通だよなぁぁ……ゼェ」
職員室かどこかで何かあったのだろうか。いつも以上に言ってることが飛んでいる。
それより、運動しようか、先生…。
生徒皆がそう思ったのか、「あの時の皆の目は少し寂しかったぞ先生は」と後に城崎は言っていたのは、また別の話。
「あのな、聞いてくれよお前たち、…」
先生の話があまりにも長いためわかりやすくしてみると、、
黒い物体が職員室の入り口をウロウロしている→気になって話を聞いてみればタメ語で返される→挙句の果てには下の名前で呼ぶことを強要し、イキナリの友達宣言→探していた先生を紹介しても話しかけてくる→全速力で逃げてきた!◁イマココ!!
という感じらしい。あれ?思ったより長くなってしまったな…まぁいいか。
担任も梓馬と関わってしまったようだ。
「お前ら、アレには気をつけろよ…」
「アレ、とは…??」
「黒い…毬藻…!!!」
先生につられた、特に怖い単語でもないのに息を呑むクラスの皆。黒い毬藻。近いうちにこの言葉が学園中に広まることを予想できたものは少なかった。
ーーーーー
昼休みになり生徒会室へと向かえば部屋に入るなり転校生のことを聞かれる。
「ヨイとアケは同じクラスではないんですか?彼もたしか1-Sでしたよね?」
「「あ〜僕たち教室行ってないから知らな〜い!」」
そういえばそうだった。役員共は俺と違って教室に行かないんだった。あ、いや、会長はたまに行ってるんだっけ。
「で、転校生はどうだったんだ?」
「どうだったと言われましても…そうですね、興味深い方とでも言っておきましょうか」
「へ〜!しーちゃんが興味を示すなんて珍し〜!」
「「僕たちその転校生見に行きたい!」」
「今は昼休みですので、食堂にでもいるんじゃないですか?」
「じゃあ、行くかお前ら」
やった〜と庶務と会計はすぐに動きだす。眠そうな書記も引きずられて行く。
「お前、本当に興味を持ったのか?」
あんな見た目のやつに?と言わんばかりの顔で会長が聞いてくる。会長は理事長から書類もらってたなと思い出す。
「別に個人の自由でしょう?アナタには関係ないことですよ」
「ま、そうだな、」
シオンが歩き出せば少しして会長も歩き出す。
さ、この会長サマはあの転校生にどんな対応をするのだろうか。会計と庶務はきっと気に入るだろう。面白いもの好きだし。書記はうるさいの嫌いだから遠ざけるかなぁ…
どっちにしろ、気に入ったとしても仕事だけはしてほしいな。テンプレというもの通りにいけば、しないんだろうが…
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