翌日。

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 あとは会長だけだが、コイツが読めないんだよな。気に入りそうではあるけど、俺が聞いてる王道の俺様会長とはちょっと違うっぽいし…?  なんてシオンが考えていると、転校生も会長に気づいたらしくロックオンしている。 「おい!お前、かっこいいな!名前教えろよ!」 「へぇ、この俺にお前とはな。どの立場で言ってんだ?」 「なんだよ!立場って!そういうのいけないんだぞ!俺ら友達だろ!?」  名前も知らないうちから友達って… 「ふ〜ん、おい」  いきなり会長は梓馬を引っ張り自分に近づける。何をするつもりだろうと思った瞬間、視界が塞がれる。状況に頭が追いつけず、困惑していると食堂中に悲鳴が響き渡った。 「「「イヤぁーーーーー!!」」」 「このくそ毬藻!浅緋様に何してるの!?」 「やめて!浅緋様が汚れちゃう!!」 「ktkr!ktkr!」 「うぇ!やっぱ見た目良くないと無理!!」  周りの悲鳴によって会長が何がしたかがわかった。これも、腐の民に散々聞かされた賜物だろう。 「ケント、もういいですか?」 「…ん」  視界が開ける。そこには、殴りかかっている梓馬とそれをしっかり受け止めている会長がいた。 「おい、シオン。俺もコイツ気に入ったぜ」 「…」  俺は無表情のまま少し眉を寄せる。 「なんだ?俺が気に入るのはダメ♡ってか?」  ニヤニヤと気持ちの悪い顔でこちらを見てくる会長。梓馬、殴るときはしっかり相手に当てなければ…。 「はぁ、、もういいです」 「あ?」 「違うよ〜かいちょー!すぐに手を出すかいちょーに呆れてるだけだよ〜」 「「そーだよ!アズアズが汚れちゃう!!」」 「か、いちょ、、め!」  皆から総攻撃をされる会長。ざまぁ。俺の想像は外れてなかったか、うわ、きも。明日からいないだけまだマシかな。  その間、拳を受け止められたままの状態の梓馬は怒りか羞恥か、ずっとプルプル震えていた。  キーンコーンカーンコーン  昼休みが終わるチャイムだ。 「皆さん、授業が始まりますよ。早く移動してください」  そう呼びかければ生徒たちは急いで食堂を出ていく。さて、俺たちも早く退散しなければ。 「ほら、私たちも行きますよ」 「ん、」 「はーい」 「「またね〜!アズアズ〜!」」 「ふっ、じゃあな」  さすがに拳を下ろしていた梓馬と、俺らが来て一切喋れていない空気になっていた後ろの2人を見る。 「ではあなた方も授業に遅れないように。先に失礼しますね。あ、昼食時間にわざわざすみませんでした」  ふぅ、食堂イベントもこなしたし早く仕事に取りかからないと…  あ、昼食食べ損ねたな…
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