翌日。

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 …  食堂で起きたこと、生徒会役員が転校生を気に入ったことは、あっと言う間に学園中に広まった。  それにしても、"あの"生徒会が転校生を気に入るとは意外だったな〜。いや、食堂に来ただけでも少しは興味を持ってたんだろうなぁ。それか副会長のアレのせいで気に入らざるを得なかったか…ま、これは無粋かなー笑。  しかしながら、王道イベントが名前で見れたことはかなり美味しい。 「ふっふふ〜♪王道くんはどこまで掻き乱してくれるのかな〜なんて♪」  いろんな事を引き起こしてくれたら新聞の作りがいがあるだろうな〜。…でも、俺の大切な彼に迷惑はかけてほしくない。  広報委員室と掲げられた部屋に入る。俺が所属している委員会だ。この学園では滅多にない部屋持ち委員会なのサ。  部屋には既に委員がほとんど集まっていた。 「腐フフ、来たぜ王道!盛り上がっていくぜ!!」 「生徒会の方々が気に入ったの、王道だったよね!」 「でもワンコ書記は嫌ってましたね……それもまたよし!!」 「ワンコ書記が副会長の背中に隠れた時なんて尊死しそうだったよ〜!食堂が僕のお墓になるところだった!!」 「うむ!某は気に入った後に副会長に報告していたところがとても萌えであったぞよ!」  委員の話の中心がだんだんと副会長になっていく。 「ぐふ腐…報告に困惑していた副会長も素晴らしかったでござる…」 「食堂に入って来た時!途中まで副会長を真ん中にしてその周りを他の役員が歩いているのもまた、む腐ふ…」 「その後、転校生を探す副会長にカルガモ親子よろしくついて行くのもまた、む腐腐…」  委員会ではさっそく今日の食堂イベントの話でもちきりだ。まだまだ終わりそうもないし、面白そうだしで俺もつい混ざってしまう。  ちなみに、副会長中心になっていくのは委員会に副会長の親衛隊に入っている人が多いためだ。いや、副会長の親衛隊員に広報委員が多いって言うべきか…? 「そういえば、転校生のあの見た目どう思う?」 「王道。」 「王道だな。」 「王道すぎて逆に怖いな。」 「だよな〜」 「あれってやっぱり変装だよな?逆に目立ちまくってるけど…」 「だろうな〜あの下にはとんでもないイケメンが隠れているだろうよ…」  沈黙する。しかし、情緒が安定していないのがこの委員会の、この腐の民という人種のよくある特徴だ。 「ああああああ!!やっぱり無理!あの下美形でもあの変装無理!!」 「だよな!だよな!!あの変装クソすぎる!!ぜんっっっぜん萌えねぇよ!」 「某、会長のキッスに萌えなかったのは初めてぞよ…!」 「「「「「あんの毬藻邪魔!!!!」」」」」  【黒毬藻では萌えない】委員皆の気持ちが一致した。
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