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下っ端 side
「なんだテメェら!!」
「んだと!?お前らが喧嘩売ってきたんだろ!!」
「何を言っている!先に売ってきたのはお前らだ!!」
「ま、まぁまぁ!」
「お、落ち着いて!!」
昨日とは一変し、スペード内でのチーム同士の喧嘩が多発している。
「俺らのアジトに何してくれてんだ!!」
「お前らが先にしてきたから返してるだけだ!!」
「喧嘩しないでくれる〜?もー!」
アジトがお互いめちゃめちゃにされていたり、
「ウチのモンが世話になったみたいでなぁ?」
「そっちこそ、さっさと俺チームのモン返せや!あ?」
「けんか、は…めっ!!」
お互いのチームの者に何かあっていたり…
「今日は俺らん中での喧嘩が多いな」
「そうだなぁ、幹部たちが頑張って抑えてはいるみたいだけど」
「あんまり抑えられてないよねぇ」
彼はケラケラと笑っている。まぁいつも平和なスペードでこんなに問題が起きているのは、少し愉快であり気持ちが分からないこともない。
「いつもは会議室で寝ている幹部様も走り回ってるな」
「ハートのリーダーいないのに自チームの収集がつかないんじゃ止められるものも止められないしね」
「うんうん」
「一昨日と昨日はハートの喧嘩を買ったり売ったりで、今日は所属内での喧嘩。今年のGWは飽きないねぇ」
彼は心底楽しそうに言うと、どこかへと歩いていく。
「どこ行くんだい?」
「ん〜心行くままかな」
「そうか、喧嘩には巻き込まれる事がないようにな」
「お〜」
彼の姿は見えなくなった。彼と会ってから、彼は消えたり姿を表したりとしていて、俺もいつも一緒にいるわけではない。そのため、彼のことはスペード所属という事ぐらいしか知らない。
まぁそれでも特に問題がないからつるんでいるわけだが。
下っ端 side end.
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