すべて、ネズミ

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 もしかしたら暇な奴らがサーカスだと勝手に名乗っている可能性がある。全てが嘘で、俺らをはめるためだという可能性もある。  正直に言ったら、俺はサーカスが本当に存在するって信じていない。だが、彼と冗談を言えるほど仲良くなったわけでもないのもまた事実であり… 「…行ってみるのもアリか」  偽物ならそれはそれで楽しめばいい。どちらにしても、俺らが企んでいることが漏れてるんだ。行って損はないだろう。 〜〜〜  はぁ〜〜  言われた通りに来てみたはいいものの… 「何もねぇじゃねぇか…くそっ」  そこには誰もおらず、がらんとしていた。少し体に力が入っていたからこそ、ただただ拍子抜けした。  ちっ、やっぱり嘘だったんだよ。あ〜少し焦ってたのが馬鹿みたいだ。このまま予定通りしても問題はないハズ。…彼は結局何がしたかったんだろうか。  騙されたことに少しイライラしながら、指定された廃工場を出る。と同時に、ケータイにメールがくる。 『ごっめ〜ん!そう言えば夜じゃないと空いてないこと忘れてた(´>∀<`)ゝ  わざわざ指定の場所まで来てくれたのに、今はちょっと忙しいんだ〜許して♡  夜にまたここ集合ね!ヤ・ク・ソ・ク☆』  メールを見て更にイラつきが増す。相手の自由すぎる言動が神経を逆撫でしてくる。 「誰が行くかよ」  そう呟いてすぐにまたメールが届く。 『来なくてもいいけど…これをどーするかは僕たち次第になるってことかな♪』  添付された写真を見ると、最近自分が侵入した誰もいない部屋でパソコンを弄っている写真だった。続けて動画も送られてくる。  はぁ、これは行くしかないな… ーーー Falcon side  落ち着いたスペードの様子は打って変わって、幹部たちは朝から混乱していた。 「おい、どうしてパソコンが使えないんだ!?」 「「知らないよ〜!!」」 「昨日は使えたんだっけ〜?あ、パソコンが入れ替わってるとか?」 「いや、そんなことはない。他の奴がこの部屋に入ってくることはできない筈で、、それにこれは確実に俺のパソコンだ」  電源はつくが、どれだけ触っても反応しないパソコンに数時間は試行錯誤している。  見た感じでは見た目に変化はない。特に壊れている様子もない。最近パスワードを変えた記憶もないし、電源がつく位だ、充電がない訳でもないだろう。  もういっそのこと、時間がかかっても修理屋に出してしまおうかと考えた時、 ピロンっ♪ 「メール…?」  リーダーの携帯にメールが届く。 『やぁやぁᐕ)ノ お困りのようだね!まあ僕のせいなんだろうけど♪(//▽//)  昨日パソコンに入っちゃった♡ついでにロックの方法も変えちゃったから、全然反応しないでしょ??ごめんねぇぇぇ〜(*^^*)  遊ぶのももう飽きちゃったから解除の方法教えてあげる♪夜にここにおいでd('∀'*)』  後に住所も送られてくる。  こんなことができるのは、俺の知る限り一人しかいない。情報屋のシュウ。ヤツは面白いことが好きなようで、ちょくちょくこんなイタズラをしてくる。  とは言え、すぐアイツの仕業に気づかなかった。最近いろいろあって疲れていたとはいえ、もう少し冷静に考えるべきだった。  ふぅ… 「おい、夜にB公園近くの廃工場に行くぞ」  煽りに応えてやろうじゃないか。
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