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サーカスは、全員が別名持ちという規格外なチームだ。そんな奴らと戦っても勝てる確率はほぼゼロだ。一人なら、いや、シュウだけならまだしも…
「ねぇやるの〜?やんないの〜?」
「君らに用はないの!そこどいてよ!!」
「邪魔するなら通さないけど」
「僕たちとやるつもり!?」
「どっちでも/やろうよ!!」
「「ふん!トラだかシシだか知らないけど、バラバラな君たちに負けるわけないよ!!」」
「すご〜い!ハモってる〜www」
「…バカにしてやるな」
「キ、サ…!」
「…邪魔するな」
「、、ど、けて!」
「…諦めろ」
「、…」
「やぁ。シュウくん。姿見せたのは〜お初だよねぇ?」
「んっふふ〜。俺さ、君とキャラ被ってる気がして嫌なんだよね〜。変えてくんない?」
「え〜やだよ〜。ていうか、俺の質問に答えてくれてもよくな〜い?」
「てか、俺らとやるつもりなんだね〜w」
「ん〜でも、俺、シュウくんになら勝てそうだな〜」
「あんまり舐めないでくれるw」
「こんばんは、スペードの総長さん。何か用でも?」
「白々しい。わかってんだろ、サーカスの副団長さんよ」
「うちの団長は今日までストレスを溜めていたらしくてね、せっかく開放されて楽しんでいるんだ。少しでも団長の邪魔したら許さないよ?クロウ」
「それなら俺が相手してやろうか。過保護すぎるんじゃねぇの?テキ」
「はぁ、団長に執着するのもわかるが、ここまでくると最早ストーカーだな」
「なんだと!?」
すぐにでもケンカが始まりそうな緊迫した空気。そんな中、子供のような無邪気な声が一つ。
「えェー!何しテんのォ?俺ト喧嘩したいって?」
「!!」
パーカーの影から少しだけ覗く顔に笑顔を浮かべて、ゆっくりと歩いてくるサーカスの団長、ピエロ。俺らが探していた相手。その後ろには、さっきまで戦っていた少年他何人かが倒れている。
「団長〜!どう?発散できたー?」
「あァ、久しぶりに人ヲなぐった。かなり気分がいィ」
「そうか。わざわざ相手を探してきたかいがあった」
「ちょ!探したのおれっすよ〜!」
「…よかった」
「団長、お客さんだよ」
「アぁ?」
「ほら、スペードの総長クロウ。団長を探してたんだそうだよ」
「あー、知っテル。スパイごっこデたくさん聞いたからなァ。いヤ〜近くにいたのに気づかナいのはユカイだッたぜ。ホントに探してんのかァ?」
スパイごっこ?近くにいたのに気づかなかった?どういう、、いや、、スペードに侵入して遊んでたってことか。それなら、GWになってからの数々の問題は、説明がつく。
「どうする?団長」
「…ァ~今日はイいや」
そう言ったピエロの身体がぐらりと揺れる。
「っ!!」
地面へと落ちていくピエロを受け止める黄色い獅子。
「今日は俺だもんね〜!えへへっ♪お疲れ団長。ゆっくりおやすみ」
「お、無事電池切れたか」
「…良かった」
「さ、団長を早く寝かせてやりたいし、もう帰らせてもらうね」
「なっ、!」
突然、サーカスの後ろから鋭い光がこちらを照らす。俺たちは思わず腕で自分の目を庇ってしまう。
「じゃあね、スペードの総長サン」
光は一瞬で、視線を戻したときにはその言葉と共にサーカスはいなくなっていた。
俺らが探し続けて、やっと見つけたピエロは、目の前で消えてしまった。
Falcon end.
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