キューピー30分クッキング

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ザワザワ 「あ!副会長様が抱いてらっしゃるのは…!しかし、、」 「副会長様が猫を抱っこしてらっしゃる!!なんて、なんて、、!!」 「あの副会長様の腕の中にいられるなんて…!あの猫、羨ましい!!でも、、!」 「ネコNo.1が猫を抱っこしているだと…!?こ、これは、、ケモ耳!?何より、、」 ((((副会長様に猫、、!良き、、!!))))  今は昼休み真っ只中。そりゃあ、猫なんて抱いて歩いてるやつは人目に晒されるわけで… 「ほら〜、近づかんといてな〜!保護猫を抱いた副会長サマのお通りやで〜。邪魔せんといてな〜」  先程から、周囲へ近づかないように大声で呼びかける西村。風紀委員としては当然の責務だ。  …コイツの声で生徒が集まってきているのではないだろうか。でも、止めたら止めたで面倒になるだろうな。あ〜めんどくさい。  それにしても、この猫かなり汚い。最初はそういう毛色の猫かと思ったが、触ってみると砂っぽく、体もかなり細い。野良猫か?目は見えているようだが、念のため、病院に連れて行くべきだろう。そこは、風紀がどうにかするだろうけど。 「いや〜大人しかね〜そん猫。完全にリラックスしとるわぁ。そんなに副会長サマが落ち着くんかな?」 「さぁ、どうでしょう?特に何か持っているわけでもないんですが…」 「なんでやろなぁ?」  腕の中の猫は、ぐっすりと寝ているように見える。 「こちらの猫はどこで見つけたんですか?」 「んっとなぁ〜、委員長がたまたま窓の外を見とったときに見えたそうな。で、オイラを呼んだんやが、なんっか機嫌悪くてな〜?もう、声にもそれが乗っとってオイラは怖くて怖くてな〜、1回は聞こえんかったフリしたんやけど、まぁいくら尊敬しとるとは言え怒っとるのは誰だって怖いやん?やから、、、」  西村の話は逸れに逸れまくり、プラス混ざり放題の方言により、長話となった。一通り聞いてまとめてみると、 委員長が窓から猫を発見→たまたま近くにいて西村に頼む→言われるがままに探しに出る→やっと見つけるが先程のように逃げられる→諦めずに追いかけてたら、副会長と遭遇→now✨ らしい。うん、はた迷惑な話だ。その上、今から向かう風紀委員室で待っている委員長は、かなりの不機嫌ときた。本当に、めんどくさい。 「そういえば、森の中も走り回って追いかけていたようですけど、怪我などは大丈夫なんですか?今更ですが」 「ん?あぁ!!大丈夫やけん、心配せんでよかよ!かすり傷やし、怪我には慣れとるし!!足も捻っとらんみたいや!」 「そうですか、なら良かったです。いくら身長は同じぐらいぽくても、鍛えているヒトを私は運べませんからね」 「あいったー!そっちの心配やったか!」  と言いながらも西村は楽しそうだ。そんな風に話しながら歩いていれば、風紀委員室がもう目の前だ。あぁ、入りたくない。  そんなシオンの思いを知ってか知らずか、西村は風紀委員室のドアを開ける。 「ただいま戻りましたぁ!猫ちゃん無事確保してきましたぁ!!」
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