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「ところでお父様、大変でしたね。大丈夫ですか?」
「お陰さまで、月曜日には退院できそうです。ご心配お掛けしました。って、ご存知でしたっけ?」
「先輩に聞きました」
一瞬桜の顔が固まった。先輩が何処まで私に話したのか気になるのだろう。
「先輩とても心配していました。でも退院されるのなら良かったですね。先輩に電話しておきますね」
「お気遣いなく。私から話しますから」
私と桜の間に火花が散った!
「大和とは本当に息が合うというか気が合うというか。陰陽師様からいつもコンビで仕事をさせられてるんです」
「先輩は協調性に優れているし出しゃばらないから誰とでも仲良くできるのが長所ですよね」
「一歩間違えると命さえも落としかねない、そんな現場で何度もお互いに助け合ってきたわ」
「先輩優しいし人がいいから、目の前で困ってる人がいたら凶悪犯でも助けちゃうでしょうね」
「大和は霊感がないけど私と一緒ならどんな強敵も倒せる力があるわ」
「そうですね。私も先輩と一緒に何体もの悪霊と闘ってきました」
……不毛だ。先輩の取り合いっこをしに来たわけじゃない。
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