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その時部屋のドアが開きリキリキが帰ってきた。
「あ、愛ちゃん。お久しぶり」
「お邪魔してます」
暫く見ないうちにリキリキは男らしくなっていた。すっかり目つきも公安警察官そのものだ。
「あれ、愛ちゃん何か付いてるよ」
リキリキが私の背中を指差した。さすがに彼女の友だちの体には触れられないようだ。
「え? 何処?」
「右側だよ」
「え〜何もないよ」
「ここだよ」
「ないってば! 老眼?」
由美に老眼呼ばわりされたリキリキは「ちょっと失礼」と言い私の背中に触れないように"何か"を摘み上げた。
「ほら」
「はあ? 幻覚?」
リキリキが摘んでいるのは葉っぱだった。でも由美には見えていないらしい。
「リキリキ、修行してるんだね」
「事件なんて殆どないから毎日修行だよ」
「うん、凄く上達してる。これが視えるなんて」
「え……何? なんか霊的なモノ?」
「これは式神だと思う」
「式神!?」
チクショー桜のヤツ。すました顔して私に式神をくっつけるとは。これは黙っていられない。
「リキリキ、事件だよ!」
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