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考えを読む
幽体だけとはいえ私はエベレストに登ったのだ。思い切り浄化され、やる気が漲っているのが分かる。ただひとつ心残りがあった。
「頂上で写真撮ってくれば良かった〜!」
「自力で登ってないのにそんなのズルよ」
「でも〜」
そりゃ人にその写真を見せたところで「合成でしょ」と言われるのがオチだ。だって私がずっと日本にいる事は全国津々浦々の人が知っている。
「そんなにたくさんの人が観てるわけないでしょ。自意識過剰よ」
最近ちょいちょい私のボケにツッコミを入れてくるパー子。性格がマイに似てきた。でも好物のキィウイを口の周りベトベトにしながら食べる姿はまだあどけない。
「さぁて、久しぶりに大学でも行こう」
サボってばかりいては留年してしまう。全国津々浦々の視聴者様に合わせる顔がなくなってしまう。
私は支度をして大学へと向かった。
「愛も免許取ればいいのに」
光も久しぶりに登校してきていた。
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