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「清明VS道満か。ん……ちょっと待って。何か最近聞いたなあ……あ、そうだ!」
「なになに?」
「お正月の時代劇スペシャルでやるって言ってた」
「え! テレビドラマ?」
「うん」
「それってもしかして……」
「ミートテレビ」
うちの局じゃん! 社長、思い切り策略巡らせてるじゃん!
「俺に清明役のオファーがあったんだけどさ。その台本だと道満が主役で清明は悪役だったんだ。で、ヨッシーが俺に悪役なんてさせるか! って速攻断ってた」
社長がそこまでしてお家再興を狙っているとは。そうやって清明を貶め道満に光を当てようとするとは。でもそんな事して何になるの? 本家の神社に参拝者が増えるから?
「あ〜、今は社長の考えを聞きたいって思ってるでしょ」
「はいはい、そうですよ」
セイラに誤魔化しは通用しない。ならば甘えてみようか。
「セイラ〜、読んでよ〜、社長の考え読んでよ〜」
「いいけど、私近くの人の考えしか読めないよ」
そうだった。セイラを社長に会わせる手立てはないものか。そうだ。
「玉よいでよ!」
私は龍玉を出した。
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