218人が本棚に入れています
本棚に追加
龍玉に社長の映像を浮かび上がらせた。社長はまだ家にいた。どでかいリビングのどでかいソファにゆったりと埋もれ新聞を読んでいた。
「どう? 読めそう?」
「……少しは」
セイラは龍玉を食い入るように見つめた。そして言った。
「息子を総理大臣にしたがってる」
「総理大臣!?」
「あ、電話だよ」
どでかいガラスのテーブルの上に置いてあったスマホがガタガタ音を立てた。社長はスマホを手に取り耳に当てた。
「おう、もう退院したのか?」
相手は桜のお父さんらしい。
「え? 何だって? 公安?」
公安?
「桜が式神を……それが何故か公安の手に……。あの娘、侮れんかもしれない。暫くは桜にも大人しくしているように言っておきなさい。私の方であの娘の事を調べてみる」
社長は電話を切り思いを巡らせていた。
「社長の頭の中には愛ちゃんの顔があるよ」
「ヒッ!」
最初のコメントを投稿しよう!