考えを読む

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「うん、うん。じゃあヨロシク」  光は電話を切った。 「やっぱダメなんでしょ?」  分かってる。自分の身は自分で守るしかない。これからはしっかり結界を張って……。 「マネージャーは無理だけど付き人付けてくれるって」 「え? マジ?」 「マジ」  その時だった。誰かが司書室のドアを開けた。 「お久しぶり〜」  ソイツは相も変わらずマリンちゃん柄のTシャツを着ていた。 「毛瀬!」  毛瀬もサークルのメンバー。ここに来ても不思議ではない。しかし天下のジョニーズのタレントだというのにダサ過ぎる。テレビに出る時以外は髪はボサボサ服はヨレヨレ。だが背後霊の聖ヨハネ様は光り輝いている。こんなに神々しいヲタクが他にいるだろうか。いや、いない。 「ヲタク狙われてるんだって?」 「え? 何で知ってるの? マリンちゃんのお告げ?」 「いや、社長命令。愛の付き人やれって」 「え!!」  毛瀬が付き人だと?
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