付き人 毛瀬

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「私のマンション知ってるの?」 「社長がナビに住所入れてくれたから」  電話番号だけではなく家まで知られてしまった。なんか悔しい。 「ラブラブミンキーマリン♪!」  私もヤケになってマリンちゃんの歌を歌った。下手に話をするよりはましだ。すると毛瀬が上手にハモってくれた。悔しいけど気持ち良かった。 「ありがとう。じゃあまた明日お願いします」 「うん。また明日ね〜」  毛瀬は走り去って行った。気持ちは疲れたが車で送ってもらったので楽だった。これはいいかも……。  そして次の日大学で待ち合わせをし、講義が終ると毛瀬の車でテレビ局へ送ってもらった。番組が終ると何処からともなく現れ、私を車でマンションまで送ってくれた。  そんな日が何日か続いた。社長からの刺客はまだ現れない。それとも何処からか私を見張っているのだろうか。  不気味な平和が続いた。しかしその平和もそうは続くはずもない。 「社長がお呼びだ」  来た! 社長はどう出てくるのだろうか。
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