オカルト天気予報

付き人 毛瀬

　憑依体質というと真っ先に由美が思い浮かんだ。でもダメだ。由美は一般人。こんな番組に出させるわけにはいかない。世間に憑依体質なんて知られたら後が面倒だ。

　ならば他に誰かいたか？　あ、リキリキ。リキリキも由美に負けず劣らぬ憑依体質だ。でも公安という仕事柄テレビになんて出るわけにはいかない。……リキリキ？　

　まさか社長、リキリキが目的なのか？　私の知り合いの公安警察がリキリキだと突き止め、その上憑依体質だという事も調査済みなのか？

　そうだとしたら尚更ダメだ。

「その憑依体質の人がいないことには企画が進まないんだ。もし本人が顔出しNGだというんならモザイク掛けるなり変装させるなりして身元が分からないようにしますから。じゃあ栗本さん、今週中に見つけてきてくださいね」

　さて……どうしよう。

　今日はお茶が出なかったなぁと思いながら社長の部屋を出た。まあ秘書さんは毛瀬と親交を深めているのだから仕方がない……。

「はぁ？」

　毛瀬は真っ赤な顔をしていた。