付き人 毛瀬

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「違います! コイツは私の付き人です。それなのに酔っ払って運転できなくなっちゃって。全く付き人失格よね」 「まあ、愛さんは付き人が付くようになったんですか。出世なさったんですね」  今度は尊敬の眼差しで私を見た。もう説明するのも面倒なので黙って毛瀬をベットに転がした。 「あら、殿方をベットに寝かせて、愛さんは何処で寝るんですか?」 「私はソファででも寝ます」 「じゃあ毛布出して来ますね」  幽霊さんは毛布を出しにクローゼットに向かった。 「愛ちゃん誰と話してるの〜? 誰かいるの〜?」 「えー、うん。元シスター」 「え、元シスター?」 「うん」 「それは光栄だ!」  毛瀬も敬虔なクリスチャン。もしかしたら話が合うかもしれない。 「華さん、この人もクリスチャンなんですよ。とても熱心な」 「まあ! そうなんですか?」 「何といっても背後霊が聖ヨハネ様なんです」 「まあ……それは有り難い……」  幽霊さんは涙をポロポロこぼした。 「聖ヨハネ様、どうか私に祝福をお与えくださいませ……」  幽霊さんは毛瀬の前にひざまずいた。
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