風と共に……

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「死んだらさっさと成仏するのが一番の幸せよ。いい人なら尚更。天国に行けるように祈ってあげましょう」  普段だったらあーでもないこーでもないと説教しただろうが、私があまりにもしょげているので師匠も優しくならざるを得ないようだ。でも今の私にはどんな言葉も響かない。何を言われても慰めにならない。  幽霊さん、どうなっちゃったんだろう。 「そんなに心配ならイタコにでも頼んで口寄せしてもらったら?」 「……イタコ? 青森まで行かなきゃいけないじゃん」 「でもその幽霊さんの事が心配なんでしょ?」 「うん……。行こうかな、今度の休みにでも……」  死者の魂を自らに憑依させ、死者の言葉を伝えてくれるというイタコ。イタコなら幽霊さんの魂を呼び寄せてくれるかもしれない。 「ん? イタコ? あ!」  いるじゃないか! いるじゃないか東京に!
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