風と共に……

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「師匠ありがとう。イタコの所に行ってくるね!」 「え? 今から? 仕事は?」 「大丈夫。仕事には間に合う!」  私は事務所を出ると赤坂にあるアナウンサースクールに向かった。勿論毛瀬の運転で。 「あら愛ちゃん。毎日テレビ見てるわよ!」  相変わらず大きな声の鮪子(まぐろこ) さん。でもこの声を聞くと元気が出る。 「ほらみんな! このスクールの卒業生でお天気キャスターになった栗本愛さんよ!」  鮪子講師のひと言でスクールの生徒たちが集まってきた。 「いつも天気予報みてます!」 「何かアドバイスください!」 「大学生でお天気キャスターなんて憧れます!」  お〜お〜、褒めてくれるねえ。みんなの私を見る目がキラキラしている。そんな目で見られると調子に乗っちゃうじゃないか。 「大間(おおま)先生と私は同期でした。大間先生は歌も上手で度胸もあって、私なんか何の取り柄もない劣等生でした。でも、運だけは持ってたみたい。何とかお天気キャスターになることができました。 でもね、運も引き寄せる事はできます。だから皆さんも諦めず頑張ってください!」
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