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心霊特番

「その無意識はみんな繋がっているのです。あなたの無意識も私の無意識も、全てはひとつ、繋がっているのです。なので皆さんの気持ちは私の気持ち。人の前で話すことには多少なりとも慣れている私が、僭越ながら皆さんの気持ちを代弁させていただきます」

　さすが心理学者。文句を言っていた幽霊たちも「確かに私話下手だし」とか「人前に出るとあがっちゃって上手く喋れないんだよな〜」と言い出した。納得しない人には丁寧に集団的無意識について説明していた。あまりに細かくしつこく説明するので「うるせーもういい」と言わしめた。これは助かった。私に全員を納得させる事は難しかっただろう。さすが教授。

　あれ、集団的無意識？　フロイトは個人的無意識の提唱者だったはず。

「集団的無意識ってユングじゃなかったですか？　風呂糸さん」
「……私はユング研究者です」
「あら……」

　名前がフロイトなのにフロイト否定派とは。それは辛い人生だっただろう。ちょっと同情した。