心霊特番

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「愛ちゃんも来る?」  脳天気に誘う先輩。横で"チッ"と不満そうに顔を歪める桜。 「……打ち合わせの邪魔をしてはいけないので」  そう言うのが精一杯だった。 「お〜い、愛。帰るよ〜」  我が付き人毛瀬が全く空気を読まずに現れた。 「あ、エクソシストさんだ」 「あ、教会で会った方ですね」  以前先輩と毛瀬は会った事がある。毛瀬の通う教会の司祭様がエクソシストで、先輩の先輩なのだ。 「あれ、オタク彼女さんできたんですか。へー」  面白くなさそうに毛瀬が言った。 「違いますよ。今度の心霊特番に出演する事になって、打ち合わせに来てたんです」 「へー。でも今夜は2人でお泊りなんですよね」 「彼女の家に泊まらせてもらいますが、彼女のお父さんもいるので2人っきりじゃないですよ」 「でも同じ屋根の下だし」 「彼女の家は神社なのでちゃんとした客室があるんですよ」
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