心霊特番

14/14
前へ
/468ページ
次へ
 神社はお正月や祭事の時は忙しいので助っ人を呼ぶ。その時泊まってもらうようにお客さん用の部屋はあるそうだ。 「へー。じゃああと2人くらい増えても大丈夫だよね」 「え?」 「僕はエクソシストさんと一緒の部屋でもいいよ」 「え?」 「車持ってくるからちょっと待っててね」  そう言うと毛瀬は軽やかに走って行った。後ろ姿はジョニーズだ。じゃなくて。 「あ、気にしないでください。帰りますから」 「どうせなら愛ちゃんもいた方が打ち合わせにはいいよ。愛ちゃんも行こうよ。ね、桜さん」 「え……ええ、そうですね。愛さん遠慮なさらないで」  無理に作った笑顔が引きつっている桜。もしかして……これはナイスじゃないか。ナイスだぞ毛瀬。私たちも泊まれば先輩は誘惑されずに済む。先輩が寝ている間に変な術をかけられる心配もない。 「じゃあお言葉に甘えて!」  そして私も桜の家に泊まることになった。
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加