神社の夜

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「せっかくのお寿司が乾燥しちゃうよ。食べてもいいかな? 桜さん」  先輩がムリクリな笑顔でそう言いながらみんなに小皿と割り箸を配った。 「お醤油入れちゃっていいかな?」  せっせと食事の準備をする先輩。女2人は正気に戻った。 「先輩私がやります!」  私は先輩の小皿に醤油を注いだ。 「大和はウニが好きなのよね。ハイ」  桜が先輩の取皿にウニを載せた! 先輩はウニが好きなのか? 知らなかった。悔しい……! 「美味しそうだね。いただきます」 「いただきます……」  満足そうに食べる先輩の顔を見ていたら幸せな気分になってきた。私と桜はとりあえず休戦し、お寿司を頂くことにした。 「ところで神道でも成仏って言葉遣うんですか?」 「神道では"平安"と言います。人間は死んだら神になるのです。魂は家に還って家族を守る守護神になるのです」 「じゃあ幽霊はいないんですか?」 「神道では魂に関して明確には定められていません。なので除霊や悪霊祓いは認められてないんです」 「じゃあ除霊や浄霊はどうするんですか?」 「悩んでいらっしゃる方を清めるお祓いをしたり、その方の幸せを神様にお願いするのです」
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