神社の夜

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「じゃあ先輩、今度の特番では陰陽道での悪霊退散をやるって事なんですね」 「うん」 「じゃあ打ち合わせなんてしなくても良かったんじゃ?」 「え? あ、そうか。確かに〜」  先輩呑気過ぎです。のこのこ連れて来られちゃって。 「当日の衣装を相談したかったんです! 神主装束たくさんあるからどれがいいのか……」 「先輩じゃ分からないと思うので私が選びます! 装束見てみたいし!」  渋る桜を無理矢理急き立て衣装部屋へやって来た。 「うわ……」  色とりどりの文様入りの狩衣。烏帽子もあるが、やはり惹きつけられるのは冠。お雛様が頭に載せているのと一緒だ。 「これ付けるんですか?」 「その方がテレビ的にいいかと思って」 「うん、絶対映える!」  桜の長くて艶々の黒髪にはピッタリだ。
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