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「でも私にあなたは敵わない。私の方が力は上。試しに私の守護霊を視てみたら?」
桜の挑戦的な口調が癪に障った。よし、視てやろうじゃないか。さてどんなヤツが後ろにいるのだろう。
「……いない……?」
桜の後ろには誰もいなかった。全く何も憑いていない。いや、私が視えないだけだ。誰にでも必ず守護霊はいる。だとしたら守護霊自身が隠れているのか、桜が視えないようにしているのか。
「どう? 視えた?」
「……いいえ」
「あら、おかしいわね。私の後ろには守護霊も指導霊も眷属もたくさんいるのに」
マイに聞くべきか。いや、それじゃカンニングだ。私がもっと修行をしなければいけないのだ。
「降参です。桜さんの方が力が強いって分かりました。でも先輩は何処なんですか? 先輩は視えないんだから苛めないであげてください!」
「私じゃないわ。トイレにでも行ってるんじゃないの?」
「長すぎです。あ、もしかして帰らせないためにお寿司に睡眠薬を入れたんじゃ」
「そんな事するわけないじゃない」
「じゃあ下剤ですか? それで先輩トイレで苦しんでるとか」
「下剤なんて入れてないわ。でも生物だから悪くなってたかも……」
桜は急いでトイレに行った。私も付いていった。しかしトイレはカラだった。先輩何処へ行っちゃったの?
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