神社の夜

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「波長の違いもあるし、とにかく生まれつき。霊能力じゃなくてもスポーツ得意な人もいれば勉強が得意な人もいる。それと同じよ」 「じゃあ桜は視える能力と、あとは?」 「結界を張るのが得意そう」 「あ、じゃあ背後霊が視えなかったのって、桜が結界を張って視えなくしてたの?」 「そう。桜一族はそういう力のある一族みたいね。だからこの神社を任されているのかもしれない」  鎮めなければこの世に災いを起こすかもしれない主祭神を今まで鎮めてきた。とても重要な役割を担ってきたのだ。 「愛にはできて桜にはできない事だってある。その力を高めれば桜にも勝てる。でも霊能力者同士で争っても意味はない。できれば協力しあえればいいんだけど」  お互いの持っていない能力を補い合い協力する……いや、ムリ。桜とはムリ! 「私にあって桜にない能力って何?」 「さぁ。自分で考えなさい」 「え〜」  丸投げ禁止だったっけ。でも知りたい。私にあって桜にない……何だろう。  考えながら私は眠りに就いた。   
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