神社の夜

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「愛さん、ご飯てすよ」  う〜ん、まだ眠たいよぉ……もうちょっと寝かせて……。  ハッ! 違う! ここは自宅じゃない! 桜の家じゃん!  慌てて飛び起き服を着た。突然泊まることになったのでパジャマなんて持ってきていない。しかし夏なのが幸いし、下着だけで寝られた。毛布を蹴飛ばし下着姿で大の字になって寝ていた。誰にも見られてないだろうなぁ……。  さっと髪を撫でてから茶の間に向かった。 「愛ちゃんおはよう」  先輩が爽やかな笑顔で迎えてくれた。先輩もちょっと髪が跳ねていた。 「何か僕お父さんの部屋で寝ちゃったみたいで。アハハ」  そりゃ毛瀬の子守唄を聞けば誰でも天国気分になってすぐに眠れるだろう。そう言えば毛瀬がいない。 「おはよーございますー……」  思い切り寝起きの顔で毛瀬が現れた。髪もボサボサでとてもジョニーズとは思えない。 「毛瀬さん、夕べはありがとう。とても良く眠れたよ」  桜のお父さんは思い切り血色の良い顔で毛瀬にお礼を言った。とても病人には見えない。
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