オカルト天気予報

通り魔事件勃発！

　それから私は修行を増やした。と言っても能力開発とかではなく精神修養的なものだ。

　いくら修行をしたからといって新たな能力を習得できるわけではないとマイから教えられた。女が男になれないように、頑張ってもこれ以上の能力は開発できないと知った。なので今ある能力を高め、使いこなせるようにするための修行だ。

「とにかく愛は落ち着きがない。慌てる。冷静さに欠ける。雑。それじゃ相手の本質を見抜けない。下手をすると命にもかかわるよ」

　さんざ貶され、脅された。私に足りないのは冷静さだ。どんなに恐ろしく禍々しい敵にも冷静に立ち向かえる精神を養うのだ。そのためにひたすら座禅をし瞑想をした。写経にも久しぶりに取り組んだ。

「明日は突然の豪雨がありそうです。でも備えあれば憂いなし。落ち着いて日頃から準備をしておきましょう」

　冷静に本番を終えることができた。

「愛ちゃん最近変わったね」
「そうですか？」

　プロデューサーが感心したように私を見た。

「慣れてきたからかな？　それとも人間として成長したのかな？」

　おお、それは最高の褒め言葉。でも浮かれてはいけない。冷静に。