通り魔事件勃発!

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「ありがとうございます。これからも日々精進して……」 「愛、気取ってないで帰るぞ」  毛瀬の目には気取ってるようにしか見えないようだ。私もまだまだだ。しかし、気取ってるってなんだ! 失礼なヤツだ。毎日頑張ってるというのに! 「さっさと車出してよ! 帰ったらレポート書かなきゃいけないんだから!」 「お、いつもの愛に戻った」 「う……」 「愛は裏表ない所がいいんだよな」 「え……」  毛瀬は私をそう見ていたのか。まあ、裏表作るほど私は器用ではない。そう言えば私の周りには裏表あるヤツはいない。そもそもそんなヤツは面倒くさくて友だちになんてならない。それにトラピスト星人には全て見抜かれちゃうし。 「何のレポート? 教えてやろうか?」 「えー、毛瀬が?」 「一応先輩だし」  毛瀬が年上だという事をすっかり忘れていた。
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