通り魔事件勃発!

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「やだ……いたずら書きに惑わされちゃったけど、これ、式神よ」 「え!」 「何処で付けられたのよ?」  アイツしかいないじゃん。抱きつき魔、……道満。 「そんな格好してるから男の子と間違われちゃったんじゃないの?」 「う……でも! いたずら書きには”愛”って書いてあるから私を狙ったんだよ」 「まあそうでしょうね。でも何で愛の事知ってるの? 愛も何か知ってるのね?」 「知ってるも何も、師匠のせいだからね!」  そもそも師匠が毛瀬を私の付き人にしたのがいけないのだ。毛瀬が付き人じゃなかったら私は桜の家に泊まりに行かなかった。そして毛瀬が桜のお父さんと知り合う事もなかった。桜のお父さんを癒やす事もなかった。そうすれば道満は堅く結界の張られた神社の中で大人しくしていたのだ。 「それは違うわよ。この世に偶然なんてないの。そういう時期なのよ」 「あー、自分のせいだって言いたくないだけなんじゃないの?」 「社長に向かってその口のきき方は何よ!」  こういう時だけ社長ぶって。
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