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「ある意味、みんな利用されてるのかもしれないわね」
「誰に?」
「神様によ」
「神様に! 何で? 何に利用しようっていうの?」
「さあ、それは神のみぞ知る、よ」
神のみぞ知る……いや、きっと知っているヤツは他にもいるはずだ。
「マイ〜〜」
「あー来ると思ったー。はいはい、知りませんよー。私は神様じゃないからー」
「その棒読みセリフ、絶対知ってるでしょ? とぼけたって無駄だからね!」
「だーかーらー。前にも言ったでしょ。神は人間に自由を与えた。運命に従う自由、拒否する自由、逃げる自由」
「じゃあ神の計画を無視してもいいの?」
「神はシナリオを書く。キャストも決めてある。でも役者がやりたくないって言えばお芝居は始まらない。代役を立てるか上演を延期するか中止にするか、決めるのは神様よ」
「延期って、来世にって事?」
「そう。いわゆる”留年”ってヤツね」
ひ〜〜! 今の私には一番怖い言葉だ。もしかしたら怨霊より恐怖かもしれない。
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