通り魔事件勃発!

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「ハー、私もまだまだだね」 「何? どうしたの?」  私はお天気お姉さんの演技を頑張っている事を話した。 「演技なんてしなくても愛ちゃんはお天気お姉さんじゃん。そのままでいいじゃん」 「そっか……」 「何? お天気お姉さん辞めて女優に転身するつもり? まあいつまでやらせて貰えるか分からないもんね」  それ結構キツイんですけど。 「そういうわけじゃないんだけど……」  悪霊と対峙する時、怖がってると思われたくない。そんな弱みを見せたらつけ上がらせるだけだ。怖くても自信満々の霊能力者を演じれば悪霊も大人しくなるかも、なんて考えてみた。 「あー、それやらない方がいいよ」 「え? 何で?」 「イタコってさ、自分の体に霊を乗り移らせるじゃん? でもこっちが怖いと思ってると絶対にバレる。奴らは弱みにつけ込んで本気で体を乗っ取りに来る」 「え? じゃあどうしてるの?」 「ちょっとでも恐怖心あったらやらない。自分にバリア張っちゃう」 「それじゃ口寄せできないじゃん」 「なり切るの」 「なり切る!?」 「依頼者のご先祖様になり切る。そうすると何故か辻褄の合う事喋れちゃうんだよね〜。不思議」 「へー……」
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