通り魔事件勃発!

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「さあ食べなさい」 「いただきまーす!」  私は貪りついた。久しぶりの青椒肉絲、それも師匠の。安定の味だ。何の調味料を使っているのか知らないが、絶妙で奥深い味。私もピーマンになりたい。豚肉になりたい……。 「プハー、満足〜」  我を忘れて完食した。さっきまで不安でいっぱいだったはずなのに。 「うん、いい顔になった」  師匠も満足そうに私を見ていた。 「特番終わったらまた食べさせてあげるから、頑張りなさい」 「はい!」  また師匠の料理が食べられるかと思うと力が湧いてきた。前に”空”が分からなくて悩んでいた時も師匠の青椒肉絲で”空”の感覚を掴む事ができた。師匠の料理は魔法だ。 「心配の97%は実現しないのよ。心を消耗するだけ。ムダムダー」 「それ、前にも言われた事あります」 「それなのにまだ心配してるの? 学ばないわねぇ」 「でも残りの3%は失敗するんですよね」 「そんなの心配しすぎて緊張しちゃうからでしょ」
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