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だけど……。
誘ってくれてもいいじゃない! 私だってコーヒー飲みたかったのに。本番までまだ時間が有り余ってるのに。
先輩と話がしたかったのに……。
さて、この状態でどう平常心を取り戻せば良いのだろう。私の心はそんなに広くはない。それにガラス細工で壊れやすいんだってば。
「あれ、もう来てたの? 仕事熱心だなあ」
振り向くとそこには!
「おう、久しぶり」
燦然と光り輝く光がいた。
「今日本番だってのにシケた顔してんなあ」
「光……私コーヒー飲みたい!」
「は?」
「コーヒー飲みに連れてって!」
私は光の腕を取り局内の食堂へ向かった。ここのコーヒーは美味しい。舌の肥えた一流芸能人も飲みに来るのだ。下手なものは出せない。
いた。先輩と桜がいた!
「光こっちこっち」
先輩たちと少し離れた席に座った。ちょうど背の高い観葉植物が置いてあるのでお互いの姿は見えない。
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