心霊特番

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「番組はひとつのドラマだ。配役は決まっている。俺とセイラは忠実にゲストの役をやるまでだ。主役食って目立ったら番組はメチャクチャになっちまうからな」  それはそうだ。光なんて特に存在感がハンパない。でもゲスト出演する時はオーラを縮めてなるべく目立たないようにしている。 「愛の出番が来ない事が大成功の証だ。無事に番組終わるといいな」  ちょうど届いたコーヒーに光は口をつけた。さすが高級コーヒー。香りを嗅いだだけで気持ちが落ち着く。私も早速コーヒーを飲んだ。 「だね。私の出番なんか来ちゃいけないよね。無事に終わるといいね」 「うん。あ、そう言えばヨッシーが料理作って待ってるって言ってた」 「そうそう、特番終わったらみんなでおいでって言ってた。ジョニーズじゃないけどセイラも一緒にって」 「あ、ダメだ。料理思い浮かべただけで腹減って来た」 「私も! 少し食べておこうか」 「夜に差し支えない程度にな」  私と光はサンドイッチを頼んだ。これくらいなら夜までにはお腹が空くだろう。  そしてお腹も落ち着きふと気がつくと、先輩たちの姿は消えていた。光と話していてすっかり忘れていた。私ってお腹が落ち着くと精神も落ち着く単純な人間なのだろうか。  いや違う。光のオーラのお陰だ。光のオーラは癒やしの効果があるんだった。光に会えて良かった。 「じゃ、また後でな」 「うん!」  私と光はそれぞれの控室へ向かった。さあ、いよいよ本番だ!
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