特命お天気お姉さん誕生!

3/4
216人が本棚に入れています
本棚に追加
/468ページ
「いやあ今日の"予言"、良かったよ」 「そうですか?」  私は天気予報のあと、ひと言"愛の予言"をアドリブで言う事になっていた。天気図からでは予測できない局地的な豪雨とか、桜の開花予想とかを、霊能力を使って言うのだ。しかし私には予知能力はない。だから予言なんて無理。でも「できない」と言うのは癪に障るし、そもそも私に相談なしで勝手にプロデューサーが決めたのだ。  なのでお天気の事は私のもう一体の眷属であるミズノコから教えてもらう。ミズノコは今は鳳凰だが元は龍だ。龍はお天気を司る神獣。ミズノコに聞けば間違いはない。 「明日の夕方は九段下駅周辺が混雑する、急いでる人は違う駅を利用した方がいいでしょう……か。そんな事も分かっちゃうの? 凄いね」 「天気に関係ない事言ってまずかったですかね?」 「ううん。助かる人いるはずだよ。そういうのもいいね」  雨宮はすっかり私の予言だと思い込んでいる。しかしこれは予言ではない。事実なのだ。だって明日は武道館で(ひかる)のコンサートがあるんだもん!
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!