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スタジオに入ると異様な空気が流れていた。今は確か幽霊たちにインタビューをするコーナーのはずだ。悪霊化してるから変な答えしちゃったのかな……と思いながらスクリーンを見た。
怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨……
呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪……
モジモジお婆さん手抜きしたな、じゃなくて。
これは怖いだろ! こんなんテレビで映したらダメだろ!
「画面切り替えてください!」
「それどころか電源切ったのにまだ映ってるんだ……あ! ヒー!」
スクリーンには新たな文字が映し出された。
恨恨恨恨恨恨恨恨恨恨……
機械の操作をしているスタッフさんが腰を抜かして泣いていた。
結界さえ破る事ができたら私にも何とかできるのに。打開策を考え頭をフル回転させていた時だった。
「社長がお呼びだ」
番組ディレクターが私に囁いた。
こんな時に呼び出しとは。社長は何を考えているのだ。しかし平社員が社長命令を無視する事はクビを意味する。どうしよう。クビを覚悟でここで戦うか、それとも社長におもねるか。
いや、私は戦う。クビになったら師匠に仕事みつけてもらうからいいんだもん! なんたって私はジョニーズだもん!
「そこに来てるんだけど」
ディレクターの指差す方を見た。スタジオの入口に社長がいた。秘書さんと一緒に。
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