本番!

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「仕方ないわね。ルーちゃん運んであげて」 (仕方ねーなー)  何を運ぶのだ? まさか、まさか……。 「ギャーー! 何するの!」  悪魔が私をお姫様抱っこした! 悪魔が、悪魔が! (暴れると落ちるぞ) 「ギャーー! 落ちた方がマシー! 離してよー!」  手足をバタつかせ思い切り暴れた。しかし悪魔は私を面白がって笑っている。 「静かに! 人に見られたら大変よ」  悪魔は長い手で私をしっかりホールドし、いくら暴れても落とすことはなかった。そして私は控室に連れてこられた。 「私をどうする気てすか」  悪魔にホールドされたままの私を見ながら秘書さんはポケットからタバコを取り出し火を点けた。1本吸い終わると私に近づいてきた。 「どう? 少しは悪魔に慣れた?」 「は? 慣れるわけないじゃないですか」 「そう? ルーちゃん、もっと可愛がってあげなさい」 (了解!)  悪魔は私に頬ずりしてきた。 「冷たーい! やめてよ!」 (えー、じゃあ)  悪魔はいきなり手のひらから炎を出した。
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