本番!

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「ヒー! 熱い! 髪の毛燃えちゃう!」 (おっとゴメンよ)  今度は手のひらから水を出した。 (こっちからも出るぞ)  そう言って悪魔は両方の手の指先から噴水のように水を吹き出した。 「水芸かよ!」  思わずツッコミを入れてしまった。 「ふふ、慣れたようね」  秘書さんはニヤリと笑った。 「もう怖くないでしょ?」 「怖いっていうよりウザいです」 (ウザい? えー)  秘書さんはクスクス笑いながら私を見た。 「栗本さん、時間がないから要点だけ言うわよ。あの蘆屋道満は偽物よ」 「え!?」 「本物の蘆屋道満は既に成仏している。神社に祀られているのは道満の息子、いえ、清明の息子よ」 「え!!」  意味が分からない。何がどうなっているのだ?
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