本番!

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「道満は清明が留学している間に清明の妻と不倫をした。そして妻は身籠った。でもそれは紛れもなく清明の子。清明が留学する前にはもう命が宿っていたのよ。 でも不倫をしてしまったのでどっちの子どもなのか分からなくなってしまった。道満との事は隠しておこうとしたけど道満が得意そうに清明に話してしまった。 怒った清明は妻を離縁して追い出した。仕方なく妻は道満の元に転がり込んだ。そして道満の元で子どもを産み、育てた」  あまりにも荒唐無稽な話だ。頭の整理がつかない。 「で、でも清明も道満も優れた陰陽師。子どもがどちらの子どもかなんて分かったはずじゃないんですか?」 「勿論2人とも分かっていた。でも清明は妻を許せなかった。だから追い出した。道満は責任を感じて自分の子どもとして育てた」  それが本当だとしたら道満がこの世に未練を残して悪霊化するはずがない。ならばやはりあの悪霊は道満、いや清明の子どもなのか? 「じゃあ社長たちの言っていた”積年の恨み”って、もしかして自分と母親を捨てた清明に対しての恨みって事ですか?」 「御名答。道満に対しては感謝しかない。でも自分の子と知りながら捨てた憎っくき清明。恨みたくもなるでしょ?」
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