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「栗本さん時間がないわ。早く行かないと大和くんが大変な事になる」
「秘書さんは先輩の味方なんですか?」
「味方も何も、兄弟子ですから」
兄弟子、ならば何故社長の秘書なんかに?
「説明は後で。とにかく栗本さんは早く支度をしなさい」
「支度?」
「そこに用意してあるから」
秘書さんが指し示した方を見ると白い着物と黒い法衣、それから尼僧が被る白い頭巾があった。
「栗本さんは僧侶なのでしょう? 衣装を用意しておきました」
僧侶? あ、そういえば住職の弟子だったっけ。普通の生活をしていたのですっかり忘れていた。
「でも着物着られません」
「大丈夫、マジックテープで留めるだけだから」
「おお!」
それならばと早速着付けをした。これは簡単。初心者の私でもあっという間に着ることができた。
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