本番!

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 意味深な言葉を残しセイラも帰っていった。私の彼氏? そんなのいない。先輩の事? いやいや、今日の桜との様子を見ていてそんな事言うわけない。でもセイラは人の考えが読める。ならば先輩の考えも読んだということか?  「セイラ!」  先輩が何を考えていたのか教えて欲しくてセイラを追いかけようとした。 「愛、マジでヤバいぞ」  我が敏腕付き人毛瀬が私の腕を掴んだ。コノヤロー……。いやマジでヤバい時間じゃないか。私は大急ぎで本番に向かった。  また全てが中途半端で終わってしまった。でも仕事が終わったら幽霊さんの話が聞ける。それで何が分かるのだろうか。 「こんばんは! お天気コーナーです! 今日は涼しかったですね。え、暑かった? あら、心霊特番観なかったんですか? それは残念。凍えるくらい面白かったですよ!」  お天気キャスターのお面は完璧にかぶれるのにな。まだまだ修行が足りないみたいだ。
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