死後の世界

1/7
前へ
/468ページ
次へ

死後の世界

 カーテン越しに太陽の陽射しが差し込んで来る。もう朝なのか? それにしてはヤケに明るい。 「あー! お昼!」  スマホを確認すると既に12時近かった。大学行きそびれた。  ソファでなんか寝たので体が痛い。重い体を起こしベットの方を見た。鮪子さんはすやすや眠っていた。いい夢を見ているのだろうか。にやにやしている。そしてその傍らには毛瀬が布団に顔を埋めていた。何時までお祈りしてくれていたのだろう。  華さんはいなかった。さすがに昼間は出て来ないのだろうか。 「もう成仏したんだから、そんなには出てこないよ」 「そういうものなの? 成仏したらどうなるの? 何処に行くの? 何するの? いつ生まれ変わるの?」  マイに質問を乱射した。成仏させた事はあるが成仏した事はない。いや何回も成仏しているはずだが覚えていない。知りたい事がたくさんある。 「そんな事よりみんなを起こさなきゃ。鮪子さんも夕方から仕事だし、愛も夜仕事でしょ」 「そうだけど聞きたい!」 「仕事終わったらね」 「うん!」  カーテンを開けると一気に部屋の中が明るくなった。鮪子さんも毛瀬ももぞもそし始めた。 「おはよう、もうお昼だよ」 「えーー!」  2人とも慌てて飛び起きた。鮪子さんは荷物をひっ掴み「お疲れ!」とだけ言って出て行った。毛瀬は取り敢えず朝のお祈りを始めた。昼だけど。  もう学校は諦めだ。ゆっくりご飯を食べたら丁度出勤時間になるだろう。まあ昨日はハードだったから今日くらいはのんびり過ごそう。
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

216人が本棚に入れています
本棚に追加